既製サッシの製品動向

4.メーターモジュールサッシの開発

 近年、高齢化社会への対応を目的としたバリアフリー住宅を求める動きが高まりつつあります。
建設省と厚生省からは、仕様基準が相次いで示された.両仕様書には、有効通路幅と、各個所における段差の解消等が定められています。
 住宅用サッシメーカー各社では、これら使用基準を満足し段差を解消した「バリアフリー建材」を、96年度から販売しました。一部の有効幅寸法については、既存の寸法体系では対応が難しいものがあり、見直しの必要性が生じてきている。建物を見ても、廊下などの通路確保には従来の910モジュールでは対応できないため、有効通路幅の確保を目的として、1mを基準寸法とする「メータモジュール」を採用する住宅が注目されるようになった。
 日本サッシ協会はこれを契機に、高さの近代化やサッシと柱間のチリ寸法の適正化等も考慮し、メーターモジュール住宅用サッシのサイズの標準化を検討された。
 下表1、表2に示されるように、今回は柱心々1mを基調とするサッシ寸法を設定。サッシ寸法を幅も高さもサッシの内法寸法で表し、内部造作材の統一を図れるようにしています。これまでサッシメーカーの違いにより内部額縁寸法が異なっていたものを、どのメーカーのサッシでも額縁寸法が一緒となるようにしたことも、大きな特色です。 幅方向(W)のメーターモジュールは1000、1500、2000、2500、3000、3500mmの6タイプとし、高さ方向(H)の窓サイズは、300、500、700、900、1100、1300、1500mm、テラスサイズは1800、2000、2200mmと設定。流し台、システムキッチン、テーブルといった室内じゅう器等との高さの整合性をもたせた寸法にしている。
 メーターモジュール用住宅サッシの寸法規格は、木造在来工法用サッシの外付と半外付、枠組壁工法用サッシの半外付に設定している。ただし、木造在来工法用のサッシの外付けH寸法は、地袋や肘掛け窓付のついた窓を考慮して,、H1350あるいは1550としている。
 将来的には、特に生産量の85%を占める関東間のH寸法については、メーターモジュール方式の分かりやすい寸法体系に改善していく方向の様子。建築全体の設計、施工、流通にかかる手間の削減を図り、住宅全体のコストダウンにつながれることを祈りたい。

表1:木造在来工法大壁納まり標準規格サイズ(引違いサッシ、特窓)

△は特窓のみの設定で引違いサッシには設定しない
◎は4枚建てを示す
※ここで設定したサイズは、あくまで標準規格サイズであり、品種ごとに設定が異なります。各社のカタログ等をご参照下さい

表2:枠組壁工法標準規格サイズ(引違いサッシ、特窓)

△は特窓のみの設定で引違いサッシには設定しない
◎は4枚建てを示す
※1:サッシH寸法は上枠見付30、下枠見付40の場合の例を示す。テラスサイズのサッシH押えはフロアライン(FL)となるので注意が必要
※ここで設定したサイズは,あくまで標準規格サイズであり、品種ごとに設定が異なる。各社のカタログをご参照下さい


※参考文献 窓まわりのディテール 日経BPムック(H10.5.25発行)

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